旅の匂いあふるるブックカバー

読み終わるまで10年ぐらいかかるんじゃないか、と思われるほどの分厚い本を買ってしまった。
なんせ、厚さが6センチもある。
でさっそく、その本にとっかかっては、寝てしまう日々(なんたって、この本の厚さは枕にちょうどいい)。

それはそうと、電車の中やカフェで分厚い本を読んでいると、とにかく目立つ。
スマートフォンじゃなく、本を手にしているだけでも珍しい時代だ。
しかも、重たく分厚い本である。
それが学術書なら、「ちょっといかれた学者風おっさん」と訝しまれる。
でも学術書じゃないのがバレたら、ただの「いかれたおっさん」と思われる。

そこで、ブックカバーをすることにした。
いや、別にタイトルを見られて恥ずかしい本じゃないんだけどね。

部屋を見渡したら、地図が入っている棚に目が止まった。
なるほど、地図のブックカバーはおもしろいかも。
その昔、旅の計画を立てるときには、まず2万5千分の1の地形図を買っていたな。

見つけた地形図は、広島県から島根県へと流れる江の川流域のもの。
地図を見ると、汚い字で書き込みがある。
1990年の5月に、カヌーでの川旅をしたときのものらしい。
日づけとともに、瀬の様子ややキャンプをした河原の場所が書き込まれている。
邑智郡とか羽須美村とか、懐かしい地名も。

こうして、旅の匂いあふるる本となったのだ。